人間と協調して仕事を支援する「気が利くシステム」の開発 ~機械学習・データ分析に基づいた意志決定支援~
櫻井研究室では気が利くシステム(コンピュータ)と題して、人間の作業(特に意志決定)をサポートするインテリジェントシステム(人工知能システム)について研究しています。
機械の利用に不便に感じた事はありませんか?
機械は使う人が適切に操作しなければ、望んだ結果は得られません。そこで、人工知能技術を用いて、利用者の意図や状況を認識し、その状況に適した対応(情報の提供、推薦や作業支援などのサービス提供)を行うのが「気が利くシステム」です。
最も単純なシステムはすでに実現され、商用ベースで動いているものがたくさんあります。特に近年、携帯電話などに様々なセンサーが組み込まれるなどして生活のあらゆるところでセンサー情報が得られるようになりました。それらのセンサー情報を用いて利用者の状況を認識するサービスが登場しています。GPSの位置情報に基づいてその場所の情報や近くのお店のクーポンを提供するサービスなどがあります。
我々が目指す「気が利くシステム」はこれをさらに発展させ、自分の事をよく知っている秘書のような存在をコンピュータで実現する事です。
このシステムの実現には大きく3つの機能が必要になります。
・利用者、状況についての理解するために適応的に学習する機能
・利用者の与える不正確性・あいまい性を適切に処理する機能
・利用者の要求する処理を実行するための機能(検索、最適化など)
応用例としては様々なものがあります。
プライベートでは、自分の趣味にあった商品を探してくれる、スケジュールを最適化してくれる。
仕事では、プロジェクトの状況を把握して、必要な選択肢を提案してくれる。会議に必要な情報を探してきて提示してくれる。マーケティング情報を集めて提案してくれる。意志決定に必要な情報・状況を整理して提示してくれる。
煩わしい操作を必要とせず、人間の作業を手助けしてくれるそんなシステムが近い未来には様々な場面で一般化しているかもしれませんよ。
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